「トーマステスト」と「尻上がり現象」について

トーマステストについて

トーマステストでは腸腰筋と大腿四頭筋の短縮度を検査する方法である。検査方法は仰臥位で行う。一側の股・膝関節を屈曲させ、他側の股・膝関節を伸展させる。このとき、屈曲させた方を体幹に近づけていくと、股・膝関節の伸展が制限されている場合は腸腰筋と大腿四頭筋の短縮が疑われ、伸展させている方の股・膝関節が屈曲してくる。腸腰筋は腸骨筋・大腰筋・小腰筋の3筋からなる。起始と停止は以下のようになる。

筋名起始停止
腸腰筋腸骨筋腸骨内面大腿骨小転子
大腰筋T12~L4
小腰筋T12~L1

大腿四頭筋は大腿直筋・中間広筋・内側広筋・外側広筋の4筋からなる。起始と停止は以下のようになる。

筋名起始停止
大腿四頭筋大腿直筋腸骨の下前腸骨棘と寛骨臼の上縁大腿四頭筋の共同の腱として、膝蓋骨の底と両側縁につく。一部は膝蓋骨の前面を越えて膝蓋靭帯を作る
中間広筋大腿骨の大腿骨体の前面
内側広筋大腿骨の転子間線の尾方と粗線の内側唇
外側広筋大腿骨の大転子の前面から外側面と粗線の外側唇

 なぜ、腸腰筋と大腿四頭筋の短縮があると伸展させている方の股・膝関節が屈曲してくるかというと、それぞれの起始・停止を見てもわかるように、左右の筋が脊椎(胸椎・腰椎)と骨盤から始まり、大腿骨・膝蓋骨に停止しているため一側の股・膝関節を屈曲させると、骨盤が背面方向に屈曲しそれに伴い短縮した筋が引っ張られるために伸展させている他側の股・膝関節が屈曲してくるのである。

尻上がり現象

腹臥位をとらせ膝関節を他動的屈曲と同時に殿部が浮き上がるものを尻上がり現象という。殿部を上がらないように徒手で固定すれば、膝関節は完全に屈曲できない(直筋型)。背臥位で股関節90°屈曲位で膝関節を屈曲すると、混合型(直筋と広筋短縮)では膝関節屈曲可動域に制限がみられるが、直筋型では完全に屈曲できる。側臥位で膝関節完全屈曲位のまま股関節を伸展すると直筋型と混合型では股関節伸展に制限をみる。

膝関節の関節可動域は屈曲160°で座位時はそれ以上に屈曲する。股関節を伸展位にすると、大腿直筋の緊張により、屈曲120°となる。なお、大腿直筋の起始は腸骨の下前腸骨棘と寛骨臼の上縁で停止は膝蓋骨の膝蓋骨底である。作用として股関節屈曲なので大腿直筋が短縮したとき、腹臥位の股関節伸展位で膝関節を屈曲すると股関節の屈曲が起こり骨盤が挙上するため尻上がり現象がみられる。

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